気候と森林の関係

植物が生きていけるかどうか、もっとも重要な要素は雨の量です。雨の量にによって森林の形態が決まってきます。
従って雨量の変化に従って、徐々に森林の様子もまったく異なったものになってきます。
しかし、年間雨量が500ミリを超えるともう植物にとっては十分な水の量と言えそうです。

次に重要となってくるのは、年間の平均気温です。
従って、500ミリを越えると年間の平均気温の変化に従って、徐々に森林の様子も異なってきます。


植物にとって一番大事な要因は、雨の量  2番目に大事な要因は気温

雨の量 年間降水量 以下の地図中の色 降水量によって植物は何になる?   気温・気候によって植物はどんな様子になる? 



















100ミリ前後 乾燥地
植物がまったく生えていない
サボテンのような乾燥に強い植物だけ
さばく
アフリカ北部やアラビア半島、アジア大陸の中央部、
北アメリカ大陸内陸部、オーストラリア中西部など
300ミリ〜
500ミリ前後
草原になる
アジア大陸北西部のステップ
北アメリカ大陸の砂漠に接しているプレーリー
アルゼンチンのパンパスなどの大草原
500ミリ以上 普通は森林になる

が気温によって木の種類が違うので
森林の様子も違う
雨が多い熱帯では 熱帯雨林になり、常緑落葉樹の森林を作る。
高さ60m以上もの木が生長する
乾期のある熱帯では 大木が少なく落葉広葉樹も混じる森林を作る
雨の量がほぼ一定なので、
あとは緯度が高くなるにつれて
気温もだんだん低下する

それにつれて森の様子も徐々に
変化を見せる
まずシイやカシによる常緑広葉樹林が出現
東京はこのあたりでしょうか
次にブナやナラなどの落葉樹の多い森林が作られる
岩手県・青森県・秋田県は、ほぼここに相当します

青森・秋田県境の白神山地がブナの原生林で有名な訳です。
さらに高緯度では、トウヒ・シラベ・トドマツなどの
常緑針葉樹の森林
に変化する
北海道の東北部
さらに気温が低下するとたとえ雨量があっても森林にはならない 森林にはならずツンドラ地帯を形成
コケが生えている

この表は、「私たちの森林」日本林業技術協会編を参照して筆者が整理し直したものです。


以下の降水量と気候分布の画像と解説はCEC、IPA「教育用画像素材集サイト」より引用しています。

世界の年間降水量

「赤道付近では気温が高いため,蒸発した水分が雨になって降るということの繰り返しで,年間を通して多雨です。
日本を含む東アジア地域や,アメリカ合衆国の東側で降水量(降雪も含みます)が多いのは,熱帯から湿った風や台風などが水分を運んでくるためです。」

         
        出典はCEC、IPA「教育用画像素材集サイト」



世界の気候分布

「 世界の気候は,赤道を境に両極へむかって,ほぼ熱帯,乾燥帯,温帯,冷帯,寒帯の順に分かれています。
これらの区分とは別に,高山気候があります。高山気候は高地の気候で,標高が高くなるにつれて気温は下がり,熱帯でもしのぎやすくなります。」
            
           出典はCEC、IPA「教育用画像素材集サイト」


世界の植物の分布 =植物地理区
   
地球表面の海陸の分布その成立過程の地理・歴史的要因によって世界の植物分布をおおまなかに、わけることができます。
動物(特に哺乳動物)もわけることができるのですが、そうした動物の分布(=動物地理区)と植物地理区はすこし違います。
どのように違うのかは、わたしのデータ(エコロジーデータ集)をご覧下さい。


植物にとって「雨の量」「気温」以外にも、育ってきた長い歴史も大事

     

 この植物地理区の地図は「白い地図工房http://www.freepage.total.co.jp/rukuruku/」の世界地図を使って、ビジュアルワイド高校生物(東京書籍)のデータを基に、安倍が作成しました)