もともと、アニマルトラッキングのページにあった資料が増えてきたので、ページを分けました。

動物を理解する上で参考になる生物学上の法則とデータ

1 ベルグマンの法則 哺乳動物の分布と体の大きさの関係を表した法則。
近縁のものが南北に渡って分布するときは、寒い地域に生活するもののほうが、体が大きくなる。」というもの。
例えば、クマでは、北海道のヒグマと本州のツキノワグマではヒグマの方が体が大きい。
    ホッキョクグマ 体長1.5m 体重400〜500kg
    ヒグマ 体長 2m 体重300kg
    ツキノワグマ 1.5m 体重60〜150kg
理由は、体重の大きなものは小さいものに比べて体表面積の割合が小さく、それだけ保温効果が大きいから。

 もっっとわかりやすく言うと、大きな鍋と小さな鍋ではどっちがさめにくいか、考えてみるとよくわかりますね。
2 グログラーの法則 哺乳動物の分布と体の色との関わりを表した法則。
「近縁のものが南北に渡って分布するときは、北に生活するものがほど体色が薄く、白っぽくなる傾向にある」というもの。

  人間もほ乳類だから、人間にも当てはまるのだろうね。確かに北国の人は色が白い。
3 アレンの法則 キツネやアメリカのウサギ類の耳のように、「より寒冷地に行くに従って体の突出部が小さくなる傾向がある」というもの。突出部が小さいと熱の放散量が多く、突出部が小さいと放散量が少ない。

動物の地理的分布  (動物地理区)  
     
  

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動物地理区の動画による解説は、ココを押す。音声解説付きの動画が開始されます。
世界の大陸ごとに特有の動物が生きています。この同じ系列の動物が生息する地域を区分けしたものを動物地理区といいます。
地球の大陸の成り立ち(=大陸移動)と深い関係があり大きくは6つの地理区に分けられます。
代表的な動物
北界 旧北区 旧北区はヨーロッパからアジアにかけての北半球の地域です
気候として亜熱帯、温帯から寒帯と続いています。四季の変化があり、動物たちもその変化に対応して生きる知恵が要求されます。
北アフリカ    ヨーロッパ、
シベリア、 ヒマラヤ、パミール
北シナ、
  日本
ヒグマ  タヌキ  イノシシ
トナカイ  キジ  ノガン
新北区 新北区は北アメリカ大陸の広い地域です。
亜熱帯から寒帯まで気候の変化は大きく、地理環境として砂漠地帯、草原地帯、森林地帯、そして北極に近い極地まで様々な環境が見られます。
アラスカ、
北アメリカ、
カナダ
アメリカヤギュウ
スカンク   アライグマ
ピューマ  七面鳥  スカンク
(第三の極地) パミール、
ヒマラヤ、
奥シナの高原地帯
南界 エチオピア区 エチオピア区はアフリカ大陸のほとんどがここに入ります。
サバンナ、砂漠、熱帯ジャングルなど様々な自然環境があります。
マダガスカル島はマダガスカル亜区と呼ばれる区分が使われています。
アフリカ
マダガスカル
アラビア半島
インドの西端部
アフリカ象  カメレオン
シマウマ  ライオン
キリン  チンパンジー
ダチョウ
東洋区 東洋区にはインド、東南アジアなど熱帯地方が含まれます。
昆虫の種類が豊富です。
ウォーレシアと呼ばれる地区には東洋区、オーストラリア区両方の特徴をもった動物がいます。
インド、  インドシナ半島
台湾、
  沖縄を含む南シナ
ボルネオ、  スマトラ  ジャワ
アジアゾウ  オラウータン
ニシキヘビ  クジャク
ニシキヘビ
オーストラリア区 オーストラリア大陸では有袋類だけが繁栄し、カンガルーやコアラなど特殊な種類がいます。
 早い時期に他の大陸と切り離されたため、有袋類だけで食物連鎖の輪ができあがりました。
オーストラリア
ニューギニア
太平洋諸島
キウイ  カンガルー
カモノハシ  ヒクイドリ
ハリモグラ
新熱帯区 新熱帯区はアマゾンのジャングルが特徴的です。サルの仲間も多くの種がいます。ジャングルの立体的な空間を上手に利用して、それぞれの動物が生活の場所を住み分けて暮らしています。
カリフォルニア等北米南部から
中南米全域
アリクイ  コンドル
ナマケモノ  アルマジロ
クモザル

(動画はIPAの教育用素材集からです。出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
(動物地理区と植物地理区、及び比較図の3枚の地図は白い地図工房http://www.freepage.total.co.jp/rukuruku/の世界地図を基に、安倍が加工しました)



植物地理区
                          地球表面の海陸の分布やその成立過程の地理・歴史的要因によって大別することができる。
動物地理区とも若干異なる
     


植物地理区と動物地理区の同じ部分と異なる部分
                                                    赤い名前と赤い線が植物地理区  白い名前と黄色い線が動物地理区 
     


日本の動物地理区で有名な境界線

ブラキストン線 津軽海峡線ともいう。
ブレーキストンとプライアーが1880年に「日本鳥類目録」で提唱した。
この線より北をシベリア亜区、南を満州亜区とする。
渡瀬線 1912年に渡瀬庄三郎が確認。
この線より北を旧北区、南を東洋亜区とする。
ほ乳類、両生類、は虫類、クモ類などの分布境界と合致するものが多い。
八田線 宗谷線ともいう。
この線より北をシベリア亜区、南を満州亜区とする。
両生類、は虫類、淡水無脊椎動物の分布境界と合致するものが多い。
蜂須賀線 この線より、北を全北区、南を旧熱帯区とする。
鳥類の分布境界と合致するものが多い。
三宅線 これより北は、日本独特の昆虫、南は熱帯方の昆虫が多い。

 上記の解説を図に示すと以下のようになります。

        
           日本動物百科を参考に安倍が作成


日本のほ乳類に関する統計データ

以下は、日本動物百科の「ほ乳類」の項に掲載されたいた数字を引用しました。

種類 地球上のほ乳類の種類 18目135科4070種
日本の陸地に生息するほ乳類の種類 7目21科約97種
日本の周辺の海に生息するほ乳類の種類 2目9科42種(ジュゴンとラッコを除く)
日本にいるほ乳類の割合は、全世界の約3.4パーセント
日本の陸にすむほ乳類は基本的に森林性である。
  わずかに草原性のカヤネズミとハタネズミが河川敷や牧草地にいるだけ。
特徴 日本列島のほ乳類の特質 (同じ緯度のアジア大陸と比較して)

1 草原・砂漠性の種がいない(草原性ナキウサギなど)
2 大型肉食獣がいない(トラ、ヒョウ、オオヤマネコなど)
   かつてはヒョウがいたが絶滅した、オオヤマネコもサハリンにいるが北海道にいない
3 ジャコウネコ科がいない
   帰化したハクビシンはいるが、マングース類は自然分布しない
分布 生物地理学からの区系

北海道          旧北区に分類

南西諸島        東洋区に分類

本州、四国、九州   旧北区に含まれるが東洋区への移行帯の性格を持つ
               例 カモシカ属、マカク属、ムササビ属は東洋区の動物であるが、
                  ニホンカモシカ、ニホンザル、ムササビは下北半島まで生息する

動物の手足の構造

 人間の手の構造はどんな風になっているのか? (足も同じです)

 人間の手をじっと見てください。何も他人の手をみることはありません。自分の手のをじっと観察してみて下さい。むかし石川啄木と言う人は「働けど、働けど、、、、ぢっと手を見る」と自分の貧乏を嘆いた歌がありました。(笑)
 さて、自分の手を見ると、手のひらと指がありますね。指は親指、人差し指というように名前がついていますが、動物の場合、親指をI指、人差し指をII指というように呼びます
 Iというのは、小学生の皆さんはわからないかも知れませんね。これはローマ数字と言って、I(アラビア数字の1に相当)とV(アラビア数字の5に相当)とX(アラビア数字の5に相当)の3つを組み合わせて書くものです。
 対応表 (VやXの左は「引く」という意味、右は「足す」という意味です。)

アラビア数字 10
ローマ数字 I II III IV V VII VII VIII IX X


              人間の手のひら構成図
        
なんか気色悪いですが、まああまり細かいことは気にせずに先に進みましょう。


動物の指

人間の指は5本ですが、動物は違いますね。動物園で見たことがありますか?

 サルは5本
 タヌキやキツネ 4本
 シカやイノシシ 2本
 ウマ 1本

なぜなんでしょうか?生まれつきなんでしょうか? それとも本数が減ったのでしょうか?

 これは人間の足と動物の足がまったく別の構造を持つのでなくて、5本が基本でそこから生活に都合がいいように、だんだん他の指が退化(どんどん小さくなってしまうこと)してしまったからなのです。
 それで先ほどの数字を見ると、こんな風になっているのです。
(いちいち、I指、II指と言わずに、理解しやすいように人間の指の名称を当てはめて説明しますので、自分の手の指を折り曲げてイメージしてみて下さい)

 サルは5本
 タヌキやキツネ 4本(親指が退化の途中)
 シカやイノシシ 2本
         (親指は完全に退化、人差し指と小指が退化の途中、中指と薬指だけが残る)
 ウマ       1本(中指1本だけが残っている)


動物の足のつきかた

自分の足を見たことがありますか? 見たことがないひとはまずいないと思います。
ふとももがあって、次にひざ、すね、かかと、足、足の指となっていますね。

 人間は、かかとを地面につけて歩きます。ところが、我々人間も早く走るときはかかとを付けないで走ります。これと同じ理屈で、ヒトより早く走るイヌは普段からかかとをあげており、イヌより高速で走るウマは、かかとはもちろん指のつま先だけを地面につけて歩いたり走ったりしているというのです。ウマは普段から、つま先だっているので体重を支えるためにツメが指の間をぐるっとおおっているのです。
 
これを図示すると次のようになります。
(青は足の指の部分を、赤は足の裏全体をを表現しています)

呼び名 蹠行性歩行 指行性歩行 蹄行性歩行
特 徴 かかとをつけた歩き方 かかとをあげた歩き方 指の骨の先端をつけた歩き方
図示
すると
動物名 ヒト
サル
クマ
イヌ
キツネ
タヌキ
シカ
ウマ
 ヒトやイヌまではわかるけど、シカやウマは関節が多いのと違いますか?と思っている皆さん。
 一番上の骨はモモの中に入っているので外見上は見えにくくなっているのです。
 そこまで描けませんでした。(筆者製の図です)