宮城県北部沿岸地方の方言レキシコン
単語が集まったものを言語学では語彙(レキシコン)と言います。それで自分の生まれた土地の言葉、すなわち宮城県北部沿岸地域の言葉を蒐集して音声付きで公開することにしました。現在500を越える数を集めました。
収集の方法は、まず各種ホームページを参考にして特に面白そうなものを100程度集めました。それでやめようと思ったのですが、どうせならと自分たちの知っている言葉も入れようとさらに200ほど追加しました。ここで約300位蒐集しました。そしてここまできたらちょっとはマシなものを作ろうと、「東北方言辞典」(仙台税務監察局編 国書刊行会 大正9年)を参考にしてその中から「自分たちのかつて話した語彙に限って」収集した結果、500を越えました。
宮城県北部沿岸地域とはどこか
現在の行政区域で言うと、宮城県桃生郡鳴瀬町野蒜(のびる)付近ということになります。北の文化集積地は石巻、南の文化集積地は仙台、内陸の文化集積地は古川ということになり、その3つの文化圏に囲まれた複雑な言語地区なのであります。(ちなみに東は太平洋に面しているので、強いて言えばカリフォルニア。もちろん文化的交流はない。)。逆に言うと石巻市、仙台市、古川市の3つの方言を巧みに取り入れながらも、その純粋方言のどれでもない中間的な方言ということになります。
我が町、鳴瀬町の文化交流を見ますと、そのことを具体的に知ることができます。民族学的には3つの文化がその時の優勢な文化勢力の影響を受けて何層にも重なり合って混じり合っていると言えます。
鳴瀬町宮戸地区はどちらかと言えば、南の文化(塩竃、多賀城、仙台)に非常に近く、結婚などの親戚関係は県北石巻というよりは、塩竃に非常に近いのです。また私の生まれ育った野蒜地区は、内陸の鹿島台町、古川市、松島町に非常に近いものを持っています。
石巻方言について
石巻方言の言語的な位置について簡単に解説します。また概略的な史実も記載します。
宮城県県北地区 概念図
宮城県の県北地区の地図を掲載しています。地図はカシミール3Dを使用しています。
ここからは付録です。
世界の言語
世界の言語の生成と発展を地図を使って、眺めることにします。
日本語の方言
日本の方言地図です。ただし簡略的なものです。
世界の文字
世界中の文字についての知識です。
アクセントについて
私たち日本語の高低アクセントと西欧語のアクセントについて概説します。
言語系統図
おなじみの言語同士の親戚関係を表現した図です。
日本語の起源は
未だ解明されたとは言えない日本語の起源について、大野晋(すすむ)さんの南インドの言語であるタミール語説を紹介したいと思います。