4 鞍掛山(くらかけやま)

岩手山に寄り添うようにしてたつ897Mのふたこぶ山。ほとんど目立たないので、登る人も少ない(と思う)。小岩井農場観光部から車で10分位のところに相の沢キャンプ場というところがあって、ここから登る。初めて登ったのが盛岡に引っ越してきた8年前で、この時が私と賢治との最初の出会いであった。キャンプ場の入り口に賢治の「くらかけ山」という詩碑があって、当時は「へえ〜、あの有名な宮沢賢治という人は、こんなところにも登っていたんだなあ。」と思ったものでした。ところが賢治の「ファン」になってからは、「ここをどんな思いで登ったんだろう」などと考えながら登る楽しさがふえました。
このキャンプ場は本当にいいところです。小岩井農場の広大な牧場と接していているので、朝は牛の鳴き声で目をさまし、なによりほとんど人が来ないのがいい。最近は、都会の喧噪よりもうるさいキャンプ場があるなかで、ここは本当に静寂そのもの。しかもタダなのです。もう10回以上登ったのに、頂上にいったのはつい最近の1回だけ。それまでは、手前にある最初のこぶの部分を頂上だと勘違いしいて、そこでご飯を食べたり、岩手山と眼下に広がる小岩井農場を眺め堪能し帰ってきていたのでした。でもそんなことはどうでもいいと思わせるような、やはり賢治が何度も何度も登った山だなと思わせる雰囲気のある山なのです。

狼森(オイノモリ)と岩手山

くらかけの雪(詩碑)全体

相の沢キャンプ場

相の沢キャンプ場より夜蚊平(よがだいら)開拓を臨む。

小岩井牧野とくらかけ山(2つのこぶの内高いほう)897M

相の沢駐車場よりくらかけ山を臨む(下の方がキャンプ場)

「くらかけの雪」の詩碑

「くらかけの雪」詩碑近景

雪に埋もれた「くらかけの雪」の詩碑

雪に埋もれた「くらかけの雪」の詩碑

木立の間から見る小岩井牧野

鞍掛山登山道案内図 左側が登山ルート

相の沢駐車場にある看板(最近のもの)


春子谷地湿原より臨む岩手山、真ん中に寝ている2つのピークを持つのが鞍掛山

柳沢から臨む岩手山
そらの散乱反射のなかに
古ぼけて黒くゑぐるもの
ひかりの微塵系列の底に
きたなくしろく澱むもの
(「岩手山」より)


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