3 小岩井農場

日本初の西洋式近代農場。なんとも言えない雰囲気を漂わせたいい場所です。ここを題材に賢治先生は、長編詩「小岩井農場」を書いている。駅に降り立って観光農場になっているところがあって、冬には雪祭りが開かれる。ここはSLホテルや羊館などがあっていいのだが、私が好きな場所は、道路を隔てた反対側にある展示室とその周辺の静かなところ。展示室には創業当時の写真や解説があり、また周辺には古いトラクターの部品やなどがきれいにペイントされて展示してあり、エキゾチックな雰囲気がある。賢治の資料もある。また日本で一番古いサイロも現存していて、そんな由緒あるサイロも、「おれは、日本で一番ふるいんだぞ」なんてことを示す看板もなく、ましてや人を遠ざける策もなく、本当にあたりの風景にとけ込んでじっとして立っているのです。その情景がまた本当にいいのです。
近くには、小岩井乳業の工場が見学できるようになっている。中では、 牛乳を試飲できる。これがうまい。ちょっとだけ飲むからうまいのかなと思って、1リットル買ってきて飲んでみても、やっぱりうまい。
賢治は、進歩的なところがあってバターや牛乳を作品に登場させている。小岩井農場の影響だろうか。

小岩井SLホテル

小岩井乳業


田沢湖線 小岩井駅 賢治の「小岩井農場・パート1」はここから書き出している。
わたくしはずゑぶんすばやく汽車からおりた
そのために雲がぎらつとひかつたくらいだ
(「小岩井農場・パート1」より)

光ふりそそぐ四階倉庫(小岩井農場) 「塔中秘事」中に出てくる

四階倉庫

四階倉庫

四階倉庫


レンガサイロ(明治40年と41年建設で、現存する日本最古のレンガサイロ)

初期の小岩井農場で一生懸命に働いたトラクター


鉄輪トラクター・農機具展示場(大正から昭和35年頃まで働いた機具たち、ごくろうさまでした)

小岩井農場1号牛舎(搾乳牛舎) 昭和初期のものだが今でも現役

小岩井農場の看板
小岩井農場は1891年、明治24年 小野義真、岩崎彌之助、井上勝により創業。3人の名字から1字ずつ取って命名。平成3年に創業100年を記念している。

創業100周年を記念して開設された展示資料室

小岩井農場展示資料室の賢治

小岩井農場と賢治の関係を解説した資料(明るい)

バターは明治35年(1902年)に市販開始 ウッドチャーン

展示資料室内のミニチュア

展示品の数々

昭和32年頃の売店掲示板(展示資料室)

創業者の3人(左から小野・岩崎・井上)

小岩井農場1号牛舎(搾乳牛舎) 昭和初期のものだが今でも現役

レンガサイロ(左が明治40年、右が明治41年建設で、現存する日本最古のレンガサイロ)

うまれたばかりの子羊(小岩井農場まきば園内の羊館)

小岩井農場と岩手山
馬はつぎつぎとあらはれて
泥灰岩の稜を噛む
おぼろげな雪融の流れをのぼり
孔雀の石のそらの下
にぎやかな光の市場
(「北上山地の春」より)

子羊(羊館にて)

日を浴びる羊たち(羊館にて)


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