16 岩手病院(現在の岩手医科大学付属病院)

  賢治は18歳の時に、肥厚性鼻炎の手術のために、岩手病院に入院している。そして一人の看護婦さんに恋いをしているのが、どうやら片思いに終わったらしい。
  実は私も3年前に同じ岩手医科大学付属病院に2カ月ほど入院した。原因は、急性肝炎だったのだが、それを知った生徒たちは、お見舞いにくるなり「先生ったらあ、お酒は控えなきゃ、ダメよ。」等と誰に聞いたのか口々に言うのであった。世間では、「肝炎=アルコールの取りすぎ」の方程式が一般化してるらしく、生徒も多分、親から聞いたのであろう。しかし、私の場合断じて違うのであった。私の場合、たぶん私の推定では、(とういのも、医者もはっきり原因を特定できなかった)ちょっと前に登った七時雨山(北上川の源流)の沢水をコップですくって飲んだからなのだと思う。というのも家にペットボトルにつめて持ち帰った水が、それより上流の牧場から流れてきたごみが沢山浮いていたから。皆さんもくれぐれも生水には、ご注意下さい。
  病気で入院したりするとそれまで当たり前のように、生きていたことが、ある日突然、当たり前ではなくなり、いつも「死」と隣り合わせでいきているんだなあ、と感じるものだと人はよく言う。私もそうであったから、感受性するどい賢治ならなおさらいろいろと考えるところがあったにちがいない。

岩手病院(現在の岩手医科大学付属病院)にある賢治の詩碑

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